全国各地に酒どころはあれど、みんなでワイワイ楽しむ「宴会」が大好きな人がたくさんいる県といえば「高知」。高知では宴会のことを「おきゃく」と言い、なんでも「べろべろの神様」がお酒を飲む人を決めるんだとか! メディアツアーに参加し、おきゃく文化&よさこいを楽しめる「OMO7高知 by 星野リゾート」を体験してきました。
「こじゃんと」高知を満喫できる「OMO7高知」
OMO7高知 by 星野リゾートは2024年6月に誕生した、「こじゃんと楽宴 さぁ、夜さ来い!」がコンセプトのホテル。「こじゃんと」は土佐弁で「たくさん・めいっぱい」の意味で、高知の文化である楽しい宴とよさこいをたっぷりと体験できます。ちなみにOMOのうしろにある数字はサービスレベルを表していて、「7」はフルサービスホテル。レストランを備えており、カツオやゆずなど高知の名産を使った料理を味わえるのも魅力です。
アクセスは路面電車「菜園場町」駅より徒歩約4分。高知龍馬空港から行く場合は空港連絡バスに乗り、約30分乗ると最寄りの「菜園場停留所」に到着します。エントランスでゲストを待ち構えているのは、愛くるしい表情の「土佐犬」。巨大な一本の楠から彫り出した、作家・はしもとみおさんによる木彫りの作品です。
チェックインより少し早めに着いたら、「OMOカフェ&バル」でゆっくりと。開放感のある明るい空間で軽食やドリンクを楽しめます。OMO7高知では高知ゆかりの「杉」を多くデザインに取り入れているのも特徴。高知県は森林の占める割合が全国1位で、館内にいながら高知の自然を感じられます。
イチ押しメニューは「カツオドッグ(850円)」と「みょうがネード(650円)」。「カツオドッグ」はカツオの粉末を練り込んだソーセージにニンニクチップやカツオ節をトッピングし、カツオのたたき風で食べられるユニークなホットドッグです。そして「みょうがネード」は高知県が生産量No.1のみょうがのシロップ漬けが丸々一本入った斬新なドリンク! 恐る恐る食べてみるとみょうがのシャキシャキ感がとても美味しく、ソーダをより爽やかに引き立ててくれていました。
おきゃくを体験できる「うたげセミスイート」
客室は全8タイプあり、おすすめは11階〜20階に位置する「うたげセミスイート」。高知の宴会文化「おきゃく」をコンセプトにした客室のひとつで、大きな窓から土佐湾や鏡川を見渡せる南側に位置しています。窓と窓の間には土佐犬が宴会を楽しむ様子が描かれていたり、高知ならではの大皿料理「皿鉢(さわち)」をイメージした台があったりと、随所に「おきゃく」を感じることができるデザインです。
お座敷遊びを楽しむ「土佐のおきゃく講座」
OMO7高知ではチェックイン後に楽しめるイベントやアクティビティが目白押し。毎日17:00〜開催している「えいとこ全部わかるがで!土佐のおきゃく講座」は、他県民からすると謎多き「おきゃく」のいろはを、スタッフから土佐弁を交えて教えてもらえる無料のアクティビティです。
おきゃくについて学んだ後は、おきゃくの定番「お座敷遊び」をゲストも一緒に体験します。例えば「菊の花」は高知県版のロシアンルーレット。盃を順番にひっくり返し、菊の花が入っていた盃を当てた人がお酒を飲むという遊びです。この講座ではお酒ではなく、乳酸菌飲料のご当地ドリンク「リープル」で体験するので、お酒が苦手な人も楽しめます。
「フラフ」の壁画に注目。大浴場・サウナ
OMO7高知は夜にたっぷり楽しめるホテルなので、夕食前にお風呂に入っておくのもよい過ごし方。大浴場「トサノユ」では大漁旗のような高知ならではの「フラフ」をモチーフにしたタイル壁画が美しい「内湯」と、高知の原風景を表現した庭を望む「露天風呂」を楽しめます。さらにロウリュサウナ・水風呂・外気浴スペースも。自分の好きな方法でリラックスできます。
名物「カツオの藁焼き」が絶品。マイ皿鉢をつくるディナー
ディナーはOMOダイニングで高知の郷土料理を取り入れたメニューがずらりと並ぶビュッフェを満喫。「TOSAインスパイア」をコンセプトに、みょうがのタルタルソースで味わう「カツオとメヒカリのフィッシュアンドチップス」やつくりたてを食べられる「芋けんぴ」など、高知らしさあふれるメニューをお腹いっぱい食べられます。
なんといっても、見逃せないメニューが高知の名物「カツオの藁焼き」。ゲストの目の前で、豪快な火柱を立たせ焼いてくれます。藁の炎で炙ったカツオは生臭さが消え、まさに絶品。OMOダイニングでは「カツオと牛の藁焼き サーフ&ターフ風」として藁焼きのローストビーフ も提供しており、それを何枚でもおかわりできるのは至極の幸せです。
大皿に盛り付け、「マイ皿鉢」を楽しめるのもOMOダイニングのユニークなポイント。皿鉢は豪華料理をお皿にめいっぱい盛り付けるのが特徴なので、自分の好きなものをたくさんのせるのが正解です。料理に合わせてお酒も追加で注文ができ、ビール好きさんには高知県のクラフトビール「TOSACO」の「和醸ケルシュ(330mL 950円)」がおすすめ。TOSACOのブルワー・瀬戸口信弥さんは「ビールが苦手な奥さんと一緒に乾杯したい」という想いからビールづくりをスタートし、女性にも飲みやすいビールをコンセプトに製造しています。
夏だけじゃない! 毎夜開催の「よさこい」
21:00から開催される「よさこい楽宴LIVE」はOMO7高知のメインイベント。高知の夏の風物詩「よさこい祭り」の熱気を毎晩体験できる宿泊者限定のアクティビティです。踊り子はダイニングでのサービスや清掃業務などに従事する、OMO7高知で働くスタッフたち。高知出身のよさこい経験者から、昨年始めたばかりのスタッフまで皆が練習を重ね、熱狂のステージをつくり上げています。
全3曲で構成される演舞は高知のよさこい界を牽引する3名が協力。演舞・全体演出は現代よさこいの火付け役の一人である國友須賀さんの長男である國友裕一郎さん、楽曲は名の知れた実力チーム「ほにや」の作曲もてがける堤一平さん、衣装・フラフデザインはグラフィックデザイナー兼よさこいチーム「夏帰鳥〜なつきちょう〜」の代表を務める脇愛子さんが担当しています。精鋭たちが協力した本格的なよさこいは明るく活気にあふれ、エネルギッシュ! ゲストもよさこいの必須アイテム「鳴子」を鳴らして、一緒に踊ることができますよ。
べろべろの神様の思うがままに。「べく杯」を体験
興奮冷めやらぬまま客室に戻った後は、客室で「おきゃく」の開始! 事前予約しておくと、郷土料理をアレンジしたおつまみと、ご近所さんがセレクトした地酒をべく杯で楽しめる「酔っちょれセット(1セット2人前 3,200円)」を1階OMOベースの屋台で受け取れます(在庫がある場合は当日予約も可、べく杯は貸出)。おつまみは「カツオの塩辛・酒盗のポテトサラダ」や「蒲鉾・すまきとちくきゅう(ちくわときゅうり)」などを味わえます。
お酒は高知県の日本酒の全酒蔵を取り扱う「安岡酒店」が選定した仙頭酒造「土佐しらぎく ぼっちり」と土佐鶴「無濾過 純米酒 土佐のおきゃく」。この日本酒はおきゃくならではのお座敷遊び「べく杯」で味わうのがイチ押しです。まずはセットのコマを回して、「べろべろの神様」に「誰が」どの「べく杯」で飲むか、決めてもらいます。べく杯とは「天狗」、「ひょっとこ」、「おかめ」の形をした3種類のおちょこで、飲み終わるまで下に置けないのが特徴。例えば天狗は鼻が長く、テーブルに置こうとするとこぼれてしまいます。
コマを回している間には「べろべろの神様は 正直な神様よ おささの方へ おもむきゃれ おもむきゃれ」という歌を歌って、コマが止まるのを待ちます。べろべろの神様が、誰の方向に向くかーーみんなで盛り上がること、間違いありません!
地元のハチキンと交流が楽しめる「木曜市」へ
夜も楽しいのに、困ったことに「朝」も楽しいOMO7高知。毎週日曜日と木曜日限定で、高知の観光名所「街路市」をスタッフが扮するOMOレンジャーと一緒に楽しむことができます。木曜日開催の「ちっくと食べやぁ、グルメな木曜市ツアー(500円+電車賃・片道230円)」は観光客の多い日曜市と比べて、ゆったりとお店の人との交流を楽しめるのが魅力。土佐弁での会話が飛び交う地元ならではの風景を垣間見れます。
このツアーは高知の「ハチキン」にも会えるのがポイント。ハチキンとは働き者、勝ち気で活発な土佐ならではの女性のことです。例えば代々この木曜市で野菜・果物を販売してきた高知市朝倉の農家「弘田さん」はとってもお話上手! 弘田さんの先祖は車が存在しない時代、天秤棒で野菜を運んでいたそうで、そんな時代からお店が受け継がれていることに驚きです。名物ハチキンの弘田さんは、話しているだけで元気がもらえる素敵な女性でした。
木曜市は野菜・果物のお買い物に加えて「グルメ」も楽しめます。ツアーではそのときどきによってさまざまな試食を楽しむことができ、この日は「いも天」と「ひやしあめ」を味わうことができました。「いも天」とはサツマイモに衣をつけて揚げた、ドーナツのような街路市の名物。お店によって味が違い、「大平商店」のいも店は従業員も知らない秘伝のレシピでつくられています。揚げたての温かいいも天はサクサク! ホクホク甘いサツマイモもとても美味しかったです。ツアー後は現地解散で、マップをもらって自由に散策ができますよ。
朝もカツオを好きなだけ。朝食ビュッフェ
最後はホテルに戻ってOMOダイニングで朝食ビュッフェを満喫。朝食ではカツオを「漬け丼」で味わうことができ、夜に続き朝も高知名物・カツオを好きなだけ味わえるのは幸せです。そのほか高知県の山間地帯で食べられていた珍しい野菜のお寿司「田舎ずし」や、ライブキッチンでつくりたてを味わえる「ゆず香るフレンチトースト」など、高知らしさあふれるラインナップとなっています。
高知ならではのおきゃく文化を、他県民も楽しめるOMO7高知 by 星野リゾート。高知の日本酒やビールを、高知流の楽しみ方で味わうことができます。お酒と食事を満喫してよさこいを踊る、ごきげんな高知旅へでかけてみませんか?
・OMO7高知 by 星野リゾート
住所:高知県高知市九反田9-15
HP:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo7kochi/
Photo&Text / Kohama Miyu