2024.10.04

なまはげも、モフモフ秋田犬も。日本酒と文化を深掘る秋田旅【週末“非日常”TRIP】

世界遺産「白神産地」をはじめとする大自然と独自の文化で訪れる人を魅了する「秋田県」。今回は秋田県の大館能代空港を拠点に、「なまはげ」と「秋田犬」に出会う旅をレポートします。旅の道中で見つけた、おしゃれな日本酒カフェも心に残る素敵な場所でした。

本物のなまはげを体験できる「なまはげ館&男鹿真山伝承館」

「怠け者はいねが、泣く子はいねが」ーー大晦日の晩に行われる「なまはげ行事」。「なまはげは秋田県のどこでもやってるの?」「そもそもなまはげって何?」といった謎に答えてくれるスポットが男鹿市にある「なまはげ館(入館料 660円)」です。

 

なまはげ行事は2018年にユネスコ無形文化遺産「来訪神:仮面・仮装の神々」のひとつとしても登録され、秋田県の男鹿半島のみで行われている伝統行事。出刃包丁などを持っているのが特徴で、これは「ナモミ(火斑)」を削ぎ落とし、怠け者を戒めるためです。「ナモミ」とは寒い秋田の冬、炉端で怠けてずっと休んでいると手足にできるやけどの一種。「ナモミ」を「剥ぐ」ことが、なまはげの語源です。館内の「なまはげ勢ぞろい」コーナーでは、実際に使われた面が展示されており、圧巻の光景でした。

 

「なまはげ館」に隣接する「男鹿真山伝承館(なまはげ館とセットで入館料 1,100円)」では、伝統的なしきたりを厳粛に受け継ぐ真山地区のなまはげ行事を体験できます。扉を「バンッ」と開け、「ウォー!」という奇声とともにやってくるなまはげは迫力満点!

 

なまはげは鬼のように見えますが、地元では「山の神の使者」と伝えられ、家の主人はお酒やお膳でもてなします。なまはげが持っているのは「なまはげ台帳」。主人の孫が「宿題をサボっていた」なんてことが書かれており、それを読みながら主人と問答を行います。本物のなまはげを体感し、ただ怖がらせるだけではない、なまはげの魅力を深く知ることができました。

 

最後は「なまはげ館」に戻って記念撮影。「なまはげ変身コーナー」では面と「ケデ」を身にまとい、出刃包丁を持って写真を撮ることができます。筆者も撮影したところ、面が本格的なので、生半可ではない迫力ある写真になりました!

 

・なまはげ館&男鹿真山伝承館
住所:秋田県男鹿市北浦真山字水喰沢
HP:https://namahage.co.jp/namahagekan/

 

ここでしか飲めないお酒も。「LABO and CAFE YAMAMOTO」

山本郡八峰町の「LABO and CAFE YAMAMOTO」は大館市から白神山地へとドライブをしているときに見つけたおしゃれなカフェ。日本酒「山本」で知られる山本酒造店の敷地内にあり、くつろぎながら日本酒やランチを楽しめます。

 

「LABO」という名前が付いている通り、研究中のまだ発売していない日本酒を飲めるのが「LABO and CAFE YAMAMOTO」のおもしろいポイント。そのときどきによってラインナップは変わり、この日は「美山錦70%精米 きょうかい1号酵母」や「改良進交 70%精米 セクスィー山本」など3種類から選べました。

 

私が選んだのは「秋田酒こまち 40%精米 こまち R-5酵母(100mL 500円)」。爽やかスッキリとした味わいで、かつ華やかな香りが心地よく、とても美味しかったです。市場には出回らない、試験的につくっている日本酒なので、ここでしか味わえないことにも価値を感じました!

 

ドライバーやお酒が飲めない人にもおすすめのメニューがピエール・エルメ・パリのマカロン「シラカミ(385円)」。山本酒造店オリジナルの酒粕を使用した特別なマカロンです。サクッと食感のよいフランス菓子店ならではのマカロン生地と酒粕は相性抜群。カフェラテや有機紅茶と一緒に味わえます。

 

気になる日本酒は量り売りで持ち帰りも可能。「ペットボトル(500mL 2,000円)」もしくは再利用可能な「ステンレスボトル(600mL 5,600円)」で販売しています。そのとき出会った秋田のお酒を、家に帰ってから飲むのも格別です。

 

・LABO and CAFE YAMAMOTO
住所:秋田県山本郡八峰町八森字八森13-1
HP:https://laboandcafe.yamamoto-brewery.com/

 

秋田犬とふれあえるのがレア! 「ふるさわおんせん」

秋田で「なまはげ」とともに有名なのが「秋田犬(あきたいぬ)」。秋田犬発祥の地である大館市では秋田犬に会える場所が複数ありますが、秋田犬と“ふれあえる”珍しい観光スポットが「ふるさわおんせん」です。

 

出迎えてくれるのは、2017年生まれでお母さんの「温(はる)」と、温が2018年に産んだ娘の「華(はな)」。温ちゃんと華ちゃんに会うために毎年遠方から訪れるリピーターがいたり、シンガポールなど海外から来るゲストもいたりと、大人気の看板犬です。

 

ふれあいは温ちゃん&華ちゃんの体調優先で、日帰り(予約制)もしくは宿泊で楽しめます。ふれあうときは急にさわらず、「クンクンタイム」をするのが大切。温ちゃんと華ちゃんに自分の匂いをかいで認識してもらい、「さわっていいよ」というサインをもらったらさわらせてもらいます。

 

さわってみると、モフモフの毛並みは想像以上の癒やし……。秋田犬ならではの体の大きさと温もりを、肌で感じることができます。

 

番犬としても活躍している温ちゃんと華ちゃん。玄関を見て、しっかりと館内を守っています。ただ、好きな常連さんが来ると大きな尻尾をクルンクルンとまわし、とってもキュート! 1回だけではなく、宿泊して2回・3回とふれあうと、温ちゃん&華ちゃんとより仲良くなれるのでおすすめです。

 

・ふるさわおんせん
住所:秋田県大館市新綱27
HP:https://furusawaonsen.com/

 

 

現地に行かないと体験できない、ディープな魅力が満載の秋田県。なまはげの本質に触れ、秋田の美酒を知り、秋田犬に癒やされる旅ができます。現在、「大館能代空港 泊まってお得!キャンペーン」を実施中で、ANAを利用して秋田大館能代空港へ行くと、対象施設の宿泊料金が10,000円引きとなります(好評につき、2024年10月31日チェックイン分をもって終了。※詳しくは公式サイトでご確認ください)。ふるさわおんせんも対象で、場合によっては宿泊料金が実質無料になります。秋田は例年11月下旬〜12月ごろに雪が降り始めるので、雪の時期の運転に慣れていない人は11月中旬までに行くのがおすすめですよ。

 

・大館能代空港 泊まってお得!キャンペーン
HP:https://reakita.com/

 

Photo&Text / Kohama Miyu

MAGAZINE

mina 2024年11月号

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STORY of WEEKEND
IN MY TOWN 古川琴音 私の街で、ニットと暮らす。

  • ◆ニットで身軽にふたり旅。
  • ◆カット&カラーで変身!ニットに一番似合うヘア
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