たくさんの島々がゆったりと浮かぶ穏やかな海や、温順な気候ですくすく育つフルーツなどが魅力の瀬戸内エリア。そんな魅力あふれるエリアを走る「ラ・マル・ド・ボァ」という観光列車をご存知ですか? 岡山駅から宇野・日生・広島県の三原・香川県の琴平の4方面へ、土日を中心に一日1往復するこの列車は、車窓をかばんに見立てた旅情を盛り上げる外観や、現代アートが展示された車内など、列車自体にも魅力がいっぱい。「ラ・マル・ド・ボァ」で巡るせとうちエリアをご紹介します。
ラ・マル・ド・ボァ=木製の旅行鞄をイメージしたおしゃれなアート列車
白い車体に大胆なモノクロアートを施した外観。木製の旅行鞄(ラ・マル・ド・ボァ)を意味する名前を表すように、車窓は鞄に見立てられたデザインになっており、鞄につけるネームタグのデザインで旅行にまつわる言葉が散りばめられています。列車の先頭につけられたヘッドマークもおしゃれで、行き先によってその地域の特徴を表したものになっています。日生行きの「ラ・マル 備前長船」は備前焼きや、長船刀剣をつくりあげる炎をイメージしたマーク。
車内は、景色をたっぷり楽しめる大きな窓に向いたカウンター席と、上質な印象のチェア。つやつやのフローリングのデッキも高級感があります。荷物棚のスペースには旅にまつわるオブジェや本が置かれており、本は自由に読むことができます。そして、自転車を積み込むことができるスペースも(無料・要予約)。
こちらは旅をイメージしたアート作品「連絡船の物語」(蓮沼昌宏)。上のハンドルを時計回りに回すとフィルムがめくられ、パラパラ漫画のようにストーリーを見ることができるもの。車内のインテリアを眺めるだけで、どんどん旅気分が盛り上がっていきます。
車内販売では、地元特産品を使った飲食物やお土産も。完熟した岡山県産清水白桃のネクター(450円)は、濃厚な桃の果実感がしっかり味わえる! 列車のヘッドマークのステッカーや缶バッジ、マスキングテープなどのグッズはどれも可愛く、ついお土産を買いすぎてしまうかも。
落ち着いた車内でリラックスし、瀬戸内の穏やかな風景を堪能しながら、旅を満喫できる観光列車です。
・ラ・マル・ド・ボァ
「ラ・マル 備前長船」岡山〜日生 おとな1,640円、こども 1,210円
HP:https://www.jr-furusato.jp/
「ラ・マル 備前長船」終着駅の日生で地元グルメを味わう!
日生の有名グルメといえば、カキオコ。日生は瀬戸内海に面した漁師町で、カキの養殖が盛ん。売り物にならない小さなカキや傷ついたカキを、漁師たちがお好み焼きに入れて食べるようになったのがはじまりとされています。
カキオコ(カキ増量・1,400円)は、山盛りの千切りキャベツにトロトロの柔らかい生地を混ぜ、新鮮なカキをたっぷりのせて。外はこんがり、中はふんわりしっとりが日生風。カキのプリプリの食感と旨みは意外にもお好みソースと相性抜群で、ボリュームがあるのにぺろりとたいらげてしまうはず。
・オレンジハウス
住所:岡山県備前市日生町日生241-103
電話:0869-72-0914
日生にはカキオコを提供するお店が多数あり、お店によって焼き方の工夫などが違うので、食べ比べをするのも楽しいかも!
HP:https://www.hinase-kakioko.jp/
カキが有名な日生、さらに「カキフライソフトクリーム」(300円)なるスイーツもあるんです! 刺し身しょうゆがかかったカキフライが2コ、ソフトクリームにトッピングされた見た目はなかなかカオス……! おそるおそる食べてみると……、濃厚クリーミーなプリプリカキフライにソフトクリームがまろやかに絡まって、意外に好相性。この珍グルメは、新鮮な魚介類が集まる魚市場「五味の市」で体験できます。ぜひお試しあれ。
・五味の市
住所:岡山県備前市日生町日生801-4
HP:https://www.hinase.net/gominoiti/
「ラ・マル 宇野」終着駅の宇野では、ぜひフルーツたっぷりのかき氷を!
岡山のフルーツをたっぷり使ったかき氷やジュースが味わえるのが宇野港にある「おまち堂」。旬のフルーツを中央卸売市場から毎日仕入れており、春夏秋冬一年中、その季節ならではの美味しいフルーツを楽しめる、つねに行列のできる人気店です。
うず高く削り上げられた氷は口の中でふわっふわにとろけ、ほどよい甘さの自家製シロップと、旬のフルーツのみずみずしさがぎゅっと一緒に味わえます。写真右はシャインマスカットヨーグルト(1,200円)。岡山ならではの甘みの強いシャインマスカットがゴロゴロとのっているのが嬉しい。写真左は岡山白桃ミルミルクスペシャル(1,200円)。ミルクシロップと上質な甘みの白桃の優しいハーモニーに、パッションフルーツシロップの種の食感がいいアクセントに。
宇野コチヌ/淀川テクニック と 宇野のチヌ/淀川テクニック
お店は、目の前には瀬戸内海が広がる気持ちのいいロケーションもポイント。「瀬戸内国際芸術祭」で生まれたアート作品「宇野のチヌ」(淀川テクニック)を見ることもできます。
・おまち堂
住所:岡山県玉野市築港1−1−4
HP:https://www.instagram.com/omachido_honten/?hl=ja
「UNO HOTEL」に泊まり、瀬戸内食材たっぷりの朝食をいただくのはいかが?
宇野での滞在にぴったりな宇野駅前の「UNO HOTEL」は、岡山デニムを基調としたカジュアルモダンなインテリアや、隣接する温泉「瀬戸内温泉 たまの湯」を利用できるなど、魅力がたくさんあるホテルですが、ぜひグルメとして体験してほしいのが“朝食”!
瀬戸内レモンや赤パプリカ、紫キャベツなどの瀬戸内の食材を使った5種のドリンクやスムージーはじめ、備前味噌を使ったソースをつけて食べる野菜のココット蒸し、岡山ポタージュ、KUJIRA-JIMA無人島で採れたミカンのジャムがのったヨーグルトがずらり。
「UNOベネディクト」と名付けられたエッグベネディクトは、瀬戸内鯛の自家製ベーコンとアボカドの上にのせたポーチドエッグに、瀬戸内海苔オランデーズソースがたっぷり。濃厚な旨みにノックダウンしてしまいます。
こちらの朝食タイニング、夜も「瀬戸内レストラン BRUNO」として、新鮮な野菜や鮮魚などの岡山の食材を使ったカジュアルフレンチがいただけます。そちらもあわせてぜひ!
・UNO HOTEL
住所:岡山県玉野市築港1−1−12
屈指の観光地・瀬戸内エリアですが、ほかにはないアートな観光列車で巡る旅は、またひと味違ったものに。ぜひ体験してみてください。
◎協力/岡山県備前県民局 https://nijiiro-trip.pref.okayama.jp/
店舗情報、商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。