2024.07.12

東京から3時間! 福井の歴史遺産と名物グルメを巡る旅【週末“非日常”TRIP】

2024年3月16日に北陸新幹線が延伸され、東京から乗り継ぎなしで最速3時間でアクセスできるようになった福井。新幹線開通で盛り上がりを見せる福井の最新スポットと歴史遺産、そして美酒と美食を満喫するプレスツアーに参加してきましたので、ご紹介します。

 

福井藩主松平家の別邸「養浩館庭園」で水庭に癒やされる

まずは福井駅から歩いて15分ほどの場所にある「養浩館庭園」へ。福井藩主松平家の別邸だった数寄屋造りの屋敷をそなえる江戸時代造成の回遊式林泉(かいゆうしきりんせん)庭園で、自然と調和した美しい水の庭が広がります。

 


屋敷だけでなく周りの園路からもさまざまな景色が眺められるようになっており、藩主一族の休養の場、住居、茶会、饗応の席などとして使われていたそう。城下を流れる「芝原上水」を引き込んで池がつくられており、「御泉水(おせんすい)屋敷」との別名も持ちます。その優美さは米国の専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」による日本庭園ランキングでも上位に選ばれるほどです。

 

・養浩館庭園

住所:福井県福井市宝永3-11-36

営業時間:9:00~19:00(3月1日~11月5日)、9:00~17:00(11月6日~2月末日)※入館は閉館30分前まで

定休日:年末年始

入園料:15歳以上220円

 

行列必至の「けんぞう蕎麦」で福井名物のおろしそばランチ

福井でそばといえば、ざるそばやもりそばではなく、大根おろし入りの特製だしをかけていただく「越前おろしそば」が名物。そんなおろしそばを味わえる人気店として多くの地元民が一押しするのが、永平寺近くにある「けんぞう蕎麦」です。

 

人気の「おろしそば」(並盛770円)は、福井県大野産と北海道産のそば粉を半分ずつブレンドした手打ちの十割蕎麦に、秋田県産と福井県産の辛味大根をブレンドした大根おろしのだしをかけていただきます。辛味大根のしぼり汁に特製だしつゆを加えた専用のつけ汁でいただく「けんぞうそば」(並盛1,100円)も人気。どちらも味わえる「六合そば」(4,740円)を2〜3人でシェアするのもおすすめです。

 

・けんぞう蕎麦

住所:福井県吉田郡永平寺町松岡春日3-26

電話:0776-61-1481

営業時間:11:00〜14:00、(土日祝)11:00〜15:00 ※なくなり次第終了

定休日:月曜(祝日の場合は翌日)

公式HP:https://www.kenzousoba.com/

 

1281体の小仏&日本一大きな「越前大仏」の圧巻スケールに驚く

大仏というと奈良や鎌倉が有名ですが、実は日本一大きな大仏が福井にあることをご存じでしょうか? それが福井県出身の実業家である多田清翁氏によって昭和62年5月28日に建立された「越前大仏」です。高さは同じく坐像である奈良の大仏より2メートルあまりも高い17メートルにも及び、使用された銅は220トンとそのスケールの大きさに驚くばかり。

 

大仏は、中国河南省洛陽市郊外の龍門石窟にある龍門奉先寺坐像をモデルに造られたもの。また、大仏殿の三方の壁には棚が11段設けられ、高さ1メートルほどの小仏群が1281体安置されておりこちらも圧巻のビジュアルです。このほか眺望の良い五重塔や庭園などもあるので、じっくり散策してみてください。

 

・越前大仏

住所:福井県勝山市片瀬50字1-1

電話:0779-87-3300

営業時間:8:00~17:00(冬季変更有)

定休日:無休

拝観料:大人500人、高校生まで300円

公式HP:http://etizendaibutsu.com/

 

一面の緑が美しい「苔寺」こと「平泉寺白山神社」

神秘的なパワーに満ちたスポットとして知られるのが、杉並木と苔の緑が美しい「平泉寺白山神社」です。養老元年(717年)に泰澄大師によって開かれたと伝わり、白山信仰の越前側の拠点となりました。平安後期には天台宗比叡山延暦寺の末寺として発展し、最盛期の戦国時代には48社、36堂、6,000の坊院が建ち並び、寺領は9万石・9万貫、8,000人もの僧兵がいたと伝えられ、当時は日本屈指の宗教勢力であったようです。

 

しかし勢力が大きくなるにつれ内部に不和が生じ、1574年に一向一揆による焼き討ちにあってしまいます。しかしこの焼失により、苔が蒸した一面緑の神秘的な景色へと変わったそう。その後、明治維新で神仏分離令により寺号を廃止し、「平泉寺白山神社」と改められました。

 

・平泉寺白山神社

住所:福井県勝山市平泉寺町67-17

電話:0779-88−0033(と之蔵案内所)

営業時間:9:00~17:00(と之蔵案内所)

拝観料:無料

公式HP:https://heisenji.jp/

 

20歳以上限定! 黒龍酒造が手掛ける食の文化複合施設「ESHIKOTO」

福井の最新スポットとして注目されているのが、黒龍酒造が2022年6月、永平寺町下浄法寺にオープンさせた福井を中心とした北陸の食や文化を伝える複合施設「ESHIKOTO(えしこと)」です。九頭竜川沿いの、全敷地面積約3万坪のうち約1万坪に建物があり、現在テイスティングバーやショップ、レストラン、セラー施設などがあり、今後さらにオーベルジュやベーカリーなどもオープン予定となっています。

 

「石田屋ESHIKOTO店」では、ここでしか手に入らないスパークリング日本酒の「ESHIKOTO AWA」や黄金梅を使った梅酒「UME」などプレミアムなお酒をテイスティングでき、購入することも可能です。隣接するレンストラン兼パティスリーの「acoya」で販売されている酒粕を使った「大吟醸ソフトクリーム」は、完売するほど人気なのでこちらもお見逃しなく。

 

・ESHIKOTO

住所:福井県吉田郡永平寺町下浄法寺第12-17

営業時間:開店時間は各店舗に準ずる

定休日:水曜、第1・3・5火曜

公式HP:https://eshikoto.com/

 

県内一の高さ&初の外資系ホテル「コートヤード・バイ・マリオット福井」で福井カルチャーを体感

福井旅の拠点にしたいのが、2024年3月15日にオープンしたばかりの「コートヤード・バイ・マリオット福井」です。福井県内で初めての外資系ラグジュアリーホテルで、JR福井駅前に誕生した県内一の高さを誇る28階建てビル「FUKUMACHI BLOCK」の高層階に位置します。足羽山や福井城など市内を一望できるなど、その眺望も福井県随一です。

 

デザインはシンプルで洗練されていることを表す「枯淡」がコンセプト。福井の伝統工芸や福井県内でしか採掘されない笏谷(しゃくだに)石を取り入れるなど、シンプルながら奥深い「美」を表現しています。

 

15階にあるホテルのオールデイ・レストラン「Substance(サブスタンス)」では、骨付きの福井ポークを恐竜肉のように見立てた赤ワイン煮込みや、「越のルビー」という福井が誇るブランドトマトのヴィネグレットをかけたサラダなど、地元食材を使った創作フレンチが味わえます。

 

同じく15階にある日本料理の「Fukui(福い)」では地元食材を使い、伝統の味にモダンな風味を巧みに融合させた四季折々の料理を堪能できます。料理長の中村一寛さんは「ナスパニューオータニ」の総料理長を務めた人物。それ以前に17年勤めた「大津プリンスホテル」時代の上司が福井県敦賀市の出身だったことから、福井の食材使いに長けています。

 

ディナーコースでは、永平寺の精進料理として親しまれるようになったごま豆腐に、熊川宿の名産品だった葛を練りこんでアレンジするなど福井の食文化を伝える料理が並びます。特に印象的だったのは、福井の小浜から塩サバを京都へ運んだ道「鯖(さば)街道」にちなみ、越前高野の定置網で獲れた生鯖を瞬間凍結してアニサキス殺菌を施した「生鯖寿司」。器にも越前焼が使われたり、福井県産の日本酒をペアリングしていただけたり、福井の恵みを思う存分味わえる最高のレストランでした。

 

16階にある「The Lounge&Bar(ザ・ラウンジ&バー)」では、「宝箱」をテーマにしたアフタヌーンティーを1日30食限定で提供。越前塗の雅なたまてばこの中に、旬の地元食材で仕立てたスイーツやセイボリーが並びます。

 

「Fukui」と「The Lounge&Bar」は西向きの席もあるので、絶好のサンセットスポット。「The Lounge&Bar」や「Substance」の東向きの席からは、福井駅ビューも堪能できますよ。

 

・コートヤード・バイ・マリオット福井

住所:福井県福井市中央1-3-5

電話:0776-50-6621

公式HP:https://www.marriott.com/ja/hotels/kmqcy-courtyard-fukui/overview/

 

東京から一本! 北陸新幹線延伸で便利になった福井へ

このほかにも福井には世界三大恐竜博物館のひとつといわれる「福井県立恐竜博物館」や曹洞宗の大本山「永平寺」、断崖絶壁の絶景が広がる「東尋坊」など観光名所がもりだくさん。この夏は延伸された北陸新幹線に乗って、福井で週末旅をエンジョイしてみては?

 

取材協力:コートヤード・バイ・マリオット福井

◎撮影&取材&文/中森りほ

店舗情報、商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。

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mina 2024年8月号

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STORY of WEEKEND | A literary day with glasses 齋藤飛鳥

  • ◆本とメガネのある暮らし。
  • ◆週末コーデに、「メガネ」を掛け算。
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