東京の街は、歩くたびに発見がある。ほら、こんなところにも洒落たお店が。感度が高いこだわり店主が集めた“いいモノ”が並ぶ、そんなセレクトショップへ案内します。新たな出会いを求めて、いざぶらり、東京さんぽ。
レコードの聖地・宇田川町でディープな音楽に身を委ねる
渋谷にある通称「シスコ坂」を上った先に、国内外から音楽好きが集まる店、フェイスレコード 渋谷店がある。ここは横浜でメールオーダーから始まったレコードショップの1号として、’96年にオープンした。
「渋谷店は開店当初から得意としているソウル、ファンク、ジャズ、ヒップホップなどブラックミュージックが多いです。’90年代当時、このあたりはストリートカルチャーに精通する人やお店が溢れていて、そういった音楽が好きな人が集まっていたんです。今もD J、ラッパーなどプレイヤーのお客さんもよく来ます」
そう話すのは、店長の高柳さん。店には常時3,000〜4,000枚のレコードを揃え、最近では訪日客の増加を受け、さらに幅広いジャンルをセレクトしているそう。
「数十万円する’50年代ジャズの原盤から、数千円で買える再発盤に、新進気鋭アーティストの新譜も。訪日客に人気の日本のジャズやフュージョンなども増やしています。ジャンルや希少性にこだわらず、お客さんにいつ来ても新しいものがあると思ってもらえるよう、定期的に在庫を入れ替えています」
フェイスレコードは海外での知名度も高く、 有名アーティストが訪問することも。写真はL.A.を拠点に活動する音楽プロデューサー、アルケミストがプライベートで来店した際にもらったサイン。
木の温もりを感じる店内は小さいながら清潔感があり、センター街の喧騒から離れてゆったりレコードを探すことができる。スタッフは20代が中心ということもあり、レコード初心者にとって入りづらさがない。そんな環境づくりは、もっとたくさんの人に気軽にレコードの魅力を知ってほしいという思いからだった。
壁面の棚には山下達郎や菊池桃子といった’70〜’80年代のシティポップを中心としたカセットテープも並んでいる。
「音楽の聴き方っていろいろありますが、レコードの場合は、手に取ってプレイヤーに置いて針を落とすという行為を伴うもの。気分を変えたいときのスイッチになると思うんです。移動中にながら聴きするのとは違って、音楽を聴くこと自体をもっと楽しんでもらえたらと思います」
レコードマニアも初心者も満足できる店でお気に入りの一枚を見つけて、おうちでじっくりとアナログ音楽の魅力に浸ってみては。
SHOP INFO
渋谷/Face Records SHIBUYA
@face_records
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Photo / Uehara Mitsugu
mina2024年12・1月合併号より
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