minaに関わるスタッフやクリエイター、ファッション関係者や読者に、とっておきの古着屋さんを聞きました。なかでも、セレクトや店のムードに店主の個性がにじみ出る8軒を厳選 ! どの店も多くの人に支持される魅力がありました。
ときに寄り添いときに委ねる。セレクトも接客も柔軟さを大切に 「Tam」
シンプルでファニーなセレクトが光る〝優しい〞店
壁一面の大きな窓からたっぷり差し込む西陽。天上の高い開放的な空間に、シンプルでひとくせある古着や雑貨が並ぶ。
「ベースはシンプルだけど、切り替えやプリントなどデザインが変わっているものを多く置いています。あくまでファッションとしての古着を提案したいので、古いからいいという価値観は持たずに、比較的新しいものも幅広く。気軽に日常使いできるか、時代の流れに合うかどうかも意識しています」(太郎さん)
もともとはセレクトショップで販売経験のある太郎さんが始めた店。妻の貴代さんがそれを手伝ううちに、自然と今の体制に。貴代さんは、この仕事を始める前はピアノの先生をしていたそう。
「アパレルや古着の経験が浅いからこそ、フラットな目線で古着と向き合ってセレクトができているような気がします。このお店のいいところは、押しつけがましくないところかな。お客さんひとりひとりに合わせて、ときに寄り添いときに委ねる。セレクトも接客も、そんな柔軟さを大事にしています」(貴代さん)
おふたりが醸し出す穏やかな空気感ゆえか、店内には忙しい日常を忘れさせてくれるような、ゆったりとした居心地のよさがある。実際、彼らとの会話を楽しみに訪れる常連客も少なくない。「この店をきっかけに、一緒に飲みに行くまでの仲になった方もいます。接客をしながら、いつのまにか服だけでなくプライベートの相談に乗っていることも多いです。だから、このお店のキャッチコピーを考えるなら〝優しい〟店になるのかな(笑)。ここは駅からのアクセスがあまりよくないから、わざわざ足を運んでいただいているぶん、服だけでなくそういうコミュニケーションも楽しんでもらえたらいいなと思っています」(貴代さん)
日常に優しく寄り添ってくれる店と古着。通いたい魅力がそこにはあった。
メンズとレディースの比率はざっくり6:4だが、性別関係なく手にとってほしいとのこと。これからTシャツ、シャツ、ワンピがたくさん入荷予定。
春に活躍しそうな90年代のデニムジャケットは、バランスよく着られるショート丈。スカートに合わせたい。18,700円
2000年代の黄色とグレーの霜降りニットパーカ。13,200円
家族の写真やイラストがおもしろいスウェット。11,000円〜。
【愛用者コメント】
リアルな“欲しい”が見つかるお店
主張しすぎないけれど目を惹く、そんなリアルクローズに出会えるお店。店内の雰囲気も素敵です
ライター 奥住
雑貨やアクセサリーも見どころ
インテリアのアクセントになる置き物や雑貨のセレクトも抜群に素敵。 アクセサリー類も豊富です
会社員 はなさん
今回お話を聞いたのは⋯
オーナー
河野太郎さん、河野貴代さん
2011年11月オープン。池尻大橋駅から徒歩約10分、中目黒駅からも15分ほどの距離。アメリカで年に2回ほどおこなう買い付けは、メンズを太郎さん、レディースを妻の貴代さんが担当。
Tam(タム)
最寄駅:池尻大橋駅
Instagram:tam_nakameguro
2025年mina5月号より
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