2022.05.05

いいものには歴史あり 名品セレクション

ロングセラーの理由を紐解く「名品セレクション」連載より、今月のいいものを紹介します。

 

エーグルのカーヴィル ラバーブーツ

天然ゴム製の丈夫で都会的なサイドゴアブーツは169年の歴史

 実用性と日常使いしやすいデザインを両立したレイングッズでもおなじみのエーグルは、1853年に設立されました。ワインの産地として有名な、フランス西部に位置するロワール地方に、実業家のヒラム・ハッチンソン氏が、地元の優れた職人を集めてラバー工場を立ち上げたのがはじまりです。田舎で暮らす人々やファーマーのために、防水性と耐久性を備えた天然ゴム製のブーツを作りました。約60の工程を要するハンドメイドの製法を習得するのに2年ものトレーニングを要するだけあり、熟練の職人によって作られる上質な天然ゴム製のブーツは、柔らかく履き心地抜群。ソールがよく曲がるので歩きやすく、長時間着用しても疲れないブーツとして人気を博しました。1972年には、ミュンヘンオリンピックに出場したフランスのセーリング選手、マルク・パジョー氏のために、トップラインにダブルストライプを配したブルーのセーリングブーツが開発されました。今でも同ブランドを象徴する商品のひとつで、現在も手作業で作られています。

 丈もデザインも多様なエーグルのラバーブーツの中で、mina読者におすすめなのが、このカーヴィルラバーブーツ。要望の多かったサイドゴアブーツをエーグル流に再解釈したという都会的な一足です。伝統的な天然ゴムを使ったボディはほどよい照り具合で、レザーブーツ感覚でコーディネートできます。

 

DETAIL CHECK

(左)ブランドロゴが正面のアクセント

同色のパイピングや立体的に作られたラバー素材のブランドロゴなど、主張しすぎないワンポイントが効いている。

(右)洗練された見た目と快適な履き心地

実用的なラバーブーツに、きちんと感を生む3cmヒール。安定感があり、長時間歩いても疲れにくいのも長所。

(下)すり減りにくい丈夫なラバーソール

衝撃を吸収する機能と柔軟性を持つ天然ラバーをソール部分にも採用。すべり止め加工がほどこされていて安心。

 

カジュアルボトムとも相性のいいサイドゴア

スリムな筒幅とアッパーも特徴。足元にボリュームが出すぎず、女性らしい印象も保てる。13,200円/エーグル カスタマーサービス

 

 

トラディショナル ウェザーウェアのフォールディング バンブー ミニ

味わいのあるバンブーハンドルの折りたたみ傘が軽量化されて新登場

 トラディショナル ウェザーウェアは、英国を代表するアウターウェアブランドの一つ、マッキントッシュ社が展開するカジュアルブランド。2枚の生地の間に天然ゴムを塗り、圧着させた防水布を用いたゴム引きコートを世界で初めて発明し、1823年に誕生しました。当時、英国ではレインコートのことをマッキントッシュと呼ぶほど、同社のゴム引きコートは唯一無二の存在に。そんなマッキントッシュの旧社名でもある、トラディショナル ウェザーウェアは1974年に生まれました。普段使いのしやすい価格帯にこだわりながら、英国の伝統的なスタイルをベースに、往年のマッキントッシュを想起させるデザインを採用しているところが特徴。アークリーとアークリーロングという人気のノーカラーコートには、透湿防水性、防風機能を持つ高密度のコットン生地が使われています。サテンテープを熱圧着した袖口と裾にも、マッキントッシュ社のゴム引きコートのディテールを感じられます。

 クラシカルな雰囲気の傘も、雨風に強いコートを起源に持つ同ブランドを語るうえで欠かせない存在。現在、公式オンラインショップには、100種類を超える傘が揃います。昨年より、バンブーハンドルを採用したアイコニックな折りたたみ傘に、生地と骨の素材を変えて約160gに軽量化したこのモデルが加わりました。晴雨兼用で使えて、濡れた傘を持ち運ぶのに便利な傘袋つき。機能性の高さにも満足できる逸品です。

 

DETAIL CHECK

(左)持ち手つきの傘袋が便利

雨に濡れた傘を、バッグに入れずに提げられる傘袋には、ブランドを象徴するユニオンジャックの刺繍が。

(右)バンブー素材がきちんと感を演出

ハンドルと石づきはバンブー素材。軽さを追求するだけでなく品の良さが感じられる素材選びはさすが英国ブランド。

 

装いやシーンを選ばないトラッドな晴雨兼用傘

カラバリ豊富で、無地のほか、チェックやドットなどの柄物も。直径98cm、たたんだ時の全長35.4cm、持ち手8cm 各12,100円/トラディショナルウェザーウェア ルミネ有楽町店

 

 

SHOP LIST

エーグルカスタマーサービス ☎0120-810-378
トラディショナルウェザーウェア ルミネ有楽町店 ☎03-6810-0388

 

 

◎撮影/志田裕也  ◎取材&文/名和里穂  ◎デザイン/橋場友美

 

2022年mina6月号より

MAGAZINE

mina 2024年12・1月合併号

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 STORY of WEEKEND
HANDSOME JACKET 奈緒 秋の終わりから、メンズジャケットを羽織って。

  • ◆この秋冬は「ジャケット」さえあれば。
  • ◆カジュアル好きのふたりが着たい「週末テーラード」
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