作家・中條ていの連作短編集『アイミタガイ』が実写映画化。不慮の事故により親友を失った女性・梓を中心に思いがけない出会いが連鎖していく様子を描いた群像劇。今作に出演した藤間爽子さんに作品についてインタビュー。またオフの過ごし方も伺いました。
−−作品の見どころを教えてください。
映画『アイミタガイ』では叶海というキャラクターを演じました。カメラマンとして活動している叶海はウェディングプランナーの梓の親友で、海外での仕事中に事故で命を落としてしまいます。
叶海の死をきっかけに物語が展開していくので、作品の中で重要な役柄ではあるのですが、私は叶海に対してそういう役割を果たさなければならないという思いは特に抱かず、梓や家族との関係性をしっかり描くことができたらいいなという思いで演じていました。
梓役の黒木華さんとの共演は今作で 2度目。親友の間柄を演じるうえで、“はじめまして”じゃなかったのはよかったなと思いますし、華さんはとても気さくな方なので、カメラがまわっていないところではふたりでずっとベラベラおしゃべり(笑)。そのままの流れで撮っていたので、親友らしい空気感というのが無理なく出ていたのかなと思います。
プライベートで“カメラ欲しい熱”が増したのは、じつはこの作品がきっかけ。撮影時はまだカメラ未経験だったので、撮影に入る前、カメラマンの友人から基本的なことをイチから教えてもらって。少しでもカメラマンっぽく見えていたらいいのですが。
草野(翔吾)監督からは、 「叶海は、テレビの『クレイジージャーニー』に出ている写真家のヨシダナギさんのようなイメージ」と言われて。世界中の少数民族を撮影されている方で、たしかに叶海にも似たような行動力があり、強さを感じる女性なので、その雰囲気を表現できたらいいなと思いながら撮影に臨んでいました。
本作は登場人物それぞれのストーリーが少しずつ影響し合い、繋がり、最後はこみ上げてくるものがある。劇中、叶海の父の優作が「善い人間しか出てこない小説は嘘くさいと思っていたけど、今はそういうものを信じたい」と言う場面があるのですが、その言葉どおり、そんな世界であってほしいと思える、優しい気持ちになれる作品だと思います。
−−気になる藤間さんの“オフ”について。オフはどのように過ごされていますか。
お休みがあったら旅行したり、映画や舞台を観に行ったり、出掛ける予定を詰め込むタイプ。見たことのないものを見て、行ったことのない地に赴いて、刺激を受けたいんですよね。直近で行ったのは沖縄。
小学生以来の沖縄旅行だったので、『ひめゆりの塔』などの観光名所にも行きましたし、海で泳いで、マングローブカヤックを体験して、シーサーもつくりました。体験ものが大好きなんです。沖縄では念願だったカメラデビューも! 海、夕陽、星空……どの風景も美しいので、初心者でも上手く撮れたような気分になり、楽しかったです(笑) 。
今年は友だちとヨーロッパにも行きました。イギリスでは観劇三昧。美術館にも行ったし、芸術の旅って感じでしたね。オフはとにかく刺激を求めて外へ外へと出ていき、そこでインプットできるものも多いです。仕事でアウトプットばかりしていると、引き出しがなくなっていくから、インプットする時間も必要だったりする。仕事のために外に出掛けるわけではないのですが、それが何かに活きればいいな、ぐらいの気持ちでオフを過ごしています。
次に行ってみたい場所はアフリカ。特別これがしたいという目的があるわけではないのですが、今年30歳を迎え、同い年の親友と「“行くぞ!”と思わないと行けないような地に行こう」と約束をしているんです。もしアフリカ旅行するなら、もう少しいいカメラを買わないと。草原を歩く象とか、望遠性能が優れていないと撮れないですもんね(笑) 。
PROFILE
ふじま・さわこ●1994年8月3日生まれ、東京都出身。2021年に三代目藤間紫を襲名し、日本舞踊家として活動する一方で、俳優としても活躍。現在はドラマ『つづ井さん』で主演を務め、映画『チャチャ』にも出演。
MOVIE
『アイミタガイ』
ウェディングプランナーの梓(黒木華)とカメラマンの叶海(藤間爽子)は中学時代からの親友。だが、突然の事故で叶海が亡くなってしまう。返事は来なくても、叶海にメッセージを送り続ける梓。微かな触れ合いが繋がり、秘密の糸がほどけるとき、思いもよらない幸せの歯車が動き出す——。
11月1日(金) TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー
出演:黒木華
中村蒼 藤間爽子
安藤玉恵 近藤華 白鳥玉季 吉岡睦雄 / 松本利夫(EXILE) 升毅 / 西田尚美 田口トモロヲ
風吹ジュン / 草笛光子
配給:ショウゲート
© 2024「アイミタガイ」製作委員会
シャツ 41,800円/HaaT(ISSEY MIYAKE)ベスト 62,700円/HaaT(ISSEY MIYAKE) イヤカフ 15,400円/AGU
◎Photo / Yamada Sayuri ◎Styling / Lee Yasuka ◎Hair & Make-up / Sakamoto Shiho(GLASSLOFT) ◎Text / Sekikawa Naoko
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