岩明均によるSF漫画『七夕の国』が実写化。ディズニープラス「スター」にて7月4日(木)より配信される。主演の細田佳央太さんに、作品についてインタビュー。またオフの過ごし方も伺いました。
−−作品の見どころを教えてください。
熱狂的ファンを持ち、映像化不可能と言われ続けてきた岩明均による漫画『七夕の国』がディズニープラス「スター」でついに実写化されます。こんな大作の主演を、22歳の自分が務められるとは、恵まれた経験をさせてもらっているなと痛感しています。
演じたナン丸(南丸洋二)は、“念力で物に小さな穴をあける”という地味な超能力を持つ、平凡で楽観的な大学生。事前に原作を何度も読み込み、役を掴んでいきましたが、撮影前の本読みでは、瀧(悠輔)監督から「もっと軽くお芝居してほしい」と言われました。最初は“軽く”の意味がよくわからなかったのですが、ドラマチックすぎるというか、つくり込んだ芝居をしていたみたいで、もう少しフラットでいいと教えていただいたんです。普通の男の子が自分の特別な能力を知り、使い方に悩み、成長していく物語でもあるので、クライマックスで成長した姿を見せる上でも、序盤はフラットに、“抜く”作業が大事だったんですよね。
人や街をエグる“球体”や、物語の舞台となる“丸神の里”の山々はCGなので、グリーンバッグでの撮影も多く、お芝居するのは正直大変でした。ナン丸が生み出す球体に関しては、撮影前に『これぐらいの大きさで、スピード感はこんな感じです』と映像を見せてもらい、撮影直前には発砲スチロールの球体を使って「こんなふうに動きます」と説明していただきましたが、想像して演じるのは難しくて。でも、新鮮な体験でもあり、おもしろかったです。
完成した映像を見ると、人や街が丸くエグられるさまが不気味で。本来、丸って角がないから、人に安心感を与えるものだと思うのですが、丸がきれいすぎてゾワっとする。そうした不気味な狂気とスリルの中にミステリー要素を兼ね備えた作品。突如、現れた球体”は一体なんなのか……。それを、ナン丸や丸神ゼミチームと同じ目線で楽しんでもらえたらいいなと思います。
−−気になる細田さんの“オフ”について。オフはどのように過ごされていますか。
基本的にインドアなので、休日は家で過ごすことが多いです。今、朝の情報番組『ZIP!』内で話題の最新映画をおすすめするコーナーを担当させていただいているので、オフはその映画を観る時間に充てています。お仕事ではありますが、自分が観たかった映画を公開前に観られるなんてラッキーだなって(笑)。すごく幸せな時間です。
仕事柄、時間があれば映画館に足を運び、ドルビーシネマやIMAXシアターなどで映画を観るようにしています。できる限り、映画館にお金を落としたいなと思うので。少し前に、『BLUE GIANT』のムビチケをいただき、チケット代がかからないぶん、席にお金をかけようと思い、ドルビーシネマの一番いい席にして。4800円ぐらいだったかな(笑)。でも、ジャズをテーマにした作品なので、よりいい音で楽しみたかったし、作品に没入できてよかったです。
映画のお供にポップコーンも買いますが、それは洋画やアニメなど、作品を純粋に楽しむときだけ。邦画の場合、役者目線で演技を勉強する感覚で観てしまい、ポップコーンが減らないんです(笑)。だから飲み物だけにしています。
最近は家事をしている時間も気分転換に。役者からひとりの人間に戻れるというか、仕事のスイッチを強制的に切ることができるんですよね。一番好きなのはお風呂掃除。洗濯物を畳んでいる時間も息抜きになる。
料理も挑戦中で、家の近所の魚屋さんで新鮮な魚を買い、海鮮丼やアクアパッツァなど魚料理をつくるのも楽しい。秋には初サンマなど、旬ものを味わったり、食事の時間は大事にしています。
物欲がないので、そのぶん、食事にはお金をかけたいなって思うんです。近所のファミレスやチェーン店でも満足できる人間なんですが(笑)、ちょっと足を伸ばして築地のお寿司屋さんに行ったり、月島でもんじゃや鉄板焼きを食べたり、そうした外食もオフの楽しみです。
PROFILE
ほそだ・かなた●2001年12月12日生まれ、東京都出身。2019年公開の映画「町田くんの世界」で初主演。最近の出流作にドラマ「95」、大河ドラマ「どうする家康」など。
VIDEO STREAMING
『七夕の国』
突如、街や人が丸くエグられる怪事件が発生。大学生の南丸洋二は怪事件の謎を追って訪れた丸神の里で自身のルーツを知り、自分が持つ”あると対峙せざるを得なくなる。球体の正体、丸神の里に隠された秘密とは!?
ディズニープラス「スター」にて7月4日(木)より独占配信
出演:細田佳央太、藤野涼子、上杉柊平、山田孝之ほか
原作:岩明均「七タの国」(小学館刊)
©2024 岩明均/小学館/東映
◎Photo / Furukawa Yoshitaka(ica) ◎Styling / Yoshimoto Satoshi ◎Hair & Make-up / NOBU(HAPP’S.) ◎Text / Sekikawa Naoko
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