2024.08.07

バイク川崎バイクさんや、花梨さんなど、本好きのみなさんに、おすすめの本を聞いてみた【vol.2】

たくさんの本を読んできた本好きのみなさんに、

「あなたが繰り返し読んだ本、教えてください」と聞いてみました。

「mina読者におすすめするなら……」と絞り出してくれたおすすめ本で、読書にふける週末はいかが?

 

 

写真家 田村昌裕さんおすすめ『弱いつながり 検索ワードを探す旅』

『弱いつながり 検索ワードを探す旅』
東 浩紀著/幻冬舎

 

 

情報化社会の現代に送る挑発的人生論

妻からのすすめで知った本で、10年ほど前に海外旅行に持っていき、読みました。日常生活のなかでネットの情報を都合よく選択して、視野が狭くなっていくことが多いと思うのですが、この本を読むとそれがリセットできるんです。今では海外旅行の必需品で、海や川、カフェなんかでぼんやりと読んでいます。ネットやSNSと距離を置きたいという人にぜひ読んでほし いです。(田村さん)

 

Selector’s Profile

豊コ本や honkbooks 店主 青柳菜摘さんおすすめ『フランケンシュタイン』大学を卒業後、都内のスタジオに勤務し、写真家として独立。ファッシ ョン誌やWEB媒体を中心に活躍。

 

 

 

コ本や honkbooks 店主 青柳菜摘さんおすすめ『フランケンシュタイン』

『フランケンシュタイン』
メアリ・シェリー著/森下弓子訳/創元推理文庫

 

 

フランケンシュタインの真実の物語

天才科学者が野心からつくりあげた人造人間と、それを取り巻く人々の物語。読んでみると、なんとなく頭に浮かぶあの怪物、フランケンシュタインのイメージがすぐに壊れていきました。予想外のおもしろさにあっという間に読み終えてしまいます。フェミニズムの先駆者である母をもつ著者の出自や、この物語が生まれた経緯も含めてとても刺激的で忘れられない一冊です。(青柳さん)

 

Selector’s Profile

神楽坂に拠点を置く書店兼プロジェクトスペース主宰。アーティストとして活動しながら詩作もおこない、2022年『そだつのをやめる』(thoasa)で中原中也賞を受賞。

 

 

 

モデル・コラージュアーティスト 花梨さんおすすめ『バッタを倒しにアフリカへ』

『バッタを倒しにアフリカへ』
前野 ウルド 浩太郎著/光文社

 

 

一発逆転を狙う著者のノンフィクション冒険記
二十歳のとき、祖母から本当におもしろいから読んでみてとすすめられ、知りました。バッタ博士である著者が、バッタが大量発生しているモーリタニアでの冒険を綴ったエッセイ。困難をプラスに変え、ユーモアをもって旅を進める彼の姿は、とっても笑えるし、勇気をもらえるんですよね。旅行前にモチベーションを上げたいときや、気分をリフレッシュしたいときに読み返している大切な本。何かに挑戦している人にぜひ読んでもらいたい!(花梨さん)

 

Selector’s Profile

1997年、東京都生まれ。モでルとして国内外の雑誌、広告などの出演のほか、コラージュアーティストとして活動。アーティストや映画のプロモーションにアートワークを提供するなど活動の幅を広げている。

 

 

 

twililight 店主 熊谷充紘さんおすすめ『旅の彼方』

『旅の彼方』
若名晃子著/アノニマ・スタジオ

 

 

超世界を旅した記憶と思考をまとめた随筆
登山を知り尽くした著者が旅について綴った一冊。メガネをかけると世界がクリアに見えるように、旅をすると自分自身がクリアに見えてきます。未知の国での出会いがこれまで生きてきた自分に問いかける。あなたはどんな人間なのかと。日常生活を離れて人生の途上で立ち止まることで、普段は見ないようにしている自分を見つめ直すことができたりするもの。旅に出られないときに何度も読み、読書も旅だと実感した本です。(熊谷さん)

 

Selector’s Profile

2022年、三軒茶屋の本屋&ギャラリー&カフェ、twililightを開業。出版社としても大崎清夏著『私運転日記』などを刊行。執筆、イベント企画もおこなう。外国小説と詩歌が好き。

 

 

 

お笑い芸人 バイク川崎バイクさんおすすめ

『しあわせの書―迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術―』

『しあわせの書―迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術―』
泡坂妻夫著/新潮社

 

 

マジシャンの著者が描く、奇想天外トリック小説
15年ほど前、友人にすすめられた本。前代未聞のトリックが仕掛けられていて、当時声をあげて笑いました。僕もなんとか小説を書くようになりましたが、これを読むともっと自由な発想でいいんだと再認識できます。何がいいって
「これさ、すごいのよ。まあ読んでよ」と人に勧めると十中八九「すごい本知ってるね」と言ってもらえること。自分の手柄のように得意になります(笑)。電子書籍では不可能なトリックなのでぜひ文庫本(BKB)で!(バイク川崎バイクさん)

 

Selector’s Profile

『R-1グランプリ2014』ファイナリスト。2020年にSNSで発表していた小説を書籍化した『BKBショートショート小説集電話しているふり』
(ヨシモトブックス)が発売中。

mina2024年8・9月合併号より

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mina 2024年12・1月合併号

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 STORY of WEEKEND
HANDSOME JACKET 奈緒 秋の終わりから、メンズジャケットを羽織って。

  • ◆この秋冬は「ジャケット」さえあれば。
  • ◆カジュアル好きのふたりが着たい「週末テーラード」
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