サブスクでおうち映画を楽しめる時代ですが、mina女子は、映画館で観る派も3割強。「わざわざ映画館に行くこと」自体を、ご褒美として楽しんでいるようです。その中で注目すべきは「ミニシアター」について。大手映画会社の系列ではない独立した小さな映画館で、それぞれが独自のセレクトで名画を選んでいるのが特徴。映画館のつくりにも個性があり「映画が本当に好きな人が集まっているので居心地も最高!」(まるさん)と映画マニアがハマっています。
mina女子から名前があがったミニシアターのなかででも、気になる4つに注目。「ならでは」の魅力とは。
愛され続ける「街の映画館」
下高井戸シネマ
昭和60年からずっと変わらない場所にある下高井戸シネマ。内観は当時の雰囲気をそのまま残しており、レトロな空間のなかでシネマに没入する、それだけでワクワクしますよね。映画は信頼できるベテランスタッフが厳選した作品を週替わりで放映。さらに、昔ながらの整理券を配布するシステムで座席指定がない。つまりふらっと立ち寄って、いい映画を気ままに楽しめるんです。「フカフカの座席で腰を痛めることもありませんよ」(代表・木下さん)とは何本も好きなだけ観てほしいという思いから。そう、ここはこの街にはなくてなならない場所。永く愛され続ける「街の映画館」なんです。
〈下高井戸シネマ〉shimotakaidocinema.com
住所:東京都世田谷区松原3-27-26 京王下高井戸ビル2F
定休日:年末年始
上映作品:『ドライブ・マイ・カー』『ディア・エヴァン・ハンセン』『ドント・ルック・アップ』〜4/8(金)
こだわりの「二本立て」に挑む
早稲田松竹
名画座ではよくある「二本立て」ですが、そのラインアップに定評があるのが、早稲田松竹。なかでも「早稲田松竹クラシックス」と名付けられた90年代以前の作品を上映するシリーズは、180回まで続く人気企画なのだとか。作品の組み合わせは、監督つながりだったり、テーマだったり、時代だったり……なにかしらの“共通点”があるのですが、わかりやすいこともあれば、観たあとにわかる「裏テーマ」なことも。「欲張りなラインナップを目指しています」(番組担当・上田さん)と、そのこだわりがマニアにはたまらない! 映画を楽しむと同時に、セレクトした人のコンセプトを知る。そんな楽しみ方も、ぜひ。
〈早稲田松竹〉wasedashochiku.co.jp
住所:東京都新宿区高田馬場1-5-16
定休日:年中無休
上映作品:「早稲田松竹クラシックスvol.180」ロベール・ブレッソン『やさしい女』とジャン・ルノワール『ピクニック』を二本立てで上映。ジャン=リュック・ゴダール『女と男のいる舗道』をレイトショーにて上映。4/2(土)~4/8(金)
「映画愛溢れる」贅沢空間
伏見ミリオン座
「いつ来ても楽しく過ごしてもらえる工夫がたくさんあります」(劇場支配人)という、伏見ミリオン座。まず、ロビーにはスタッフが手作りしたオリジナルの作品装飾があったり、映画をイメージして開発した独自ドリンクが販売されていたり……。ほかにはない仕掛けに驚きます。そのひとつひとつに“映画愛”が溢れていて、遠方のお客さんも足繁く通っているというのもうなづけます。映画のセレクトは、アート系を中心に、全国規模から、ここでしか出会えないニッチな作品まで多彩なジャンル。入った瞬間から「映画の世界」にどっぷり浸れる映画館。映画を観るだけじゃない、贅沢な体験。わざわざ出かける価値ありですよ。
〈伏見ミリオン座〉eiga.starcat.co.jp
住所:愛知県名古屋市中区錦二丁目15-5
定休日:年中無休
上映予定作品:『ベルファスト』「ぼけますから、よろしくお願いします。』3/25(金)〜、『英雄の証明』『TITANE/チタン』『やがて海へと届く』4/1(金)〜
思い思いに映画を「楽しむ場」
シアター・シエマ
話題の名作だけでなく、リクエストがあった作品、実際に鑑賞してみて良かった作品などを上映しているというシアター・シエマ。佐賀県唯一のミニシアターです。ここは映画館であって、映画館だけじゃないのが特徴。「いろいろな目的を持つ人が集まれる場を作ることで、映画へ興味を持ってもらいたい」(支配人・重松さん)とカフェやイベントスペースが併設。そしてその思いは、いろいろな形のソファが並ぶ劇場内からも伝わってきます。お気に入りの席で映画に浸るもよし、ミニテーブルのある席でお酒を飲みながら映画を観るのもよし。自分の好きな席で、思い思いの楽しみ方ができる。そう、シアター・シエマは、楽しむことが目的の「集まる場」なんです。
〈シアター・シエマ〉ciema.info/
住所:佐賀県佐賀市松原2-14-16セントラルプラザ3F
定休日:年末年始
上映作品:『ドライブ・マイ・カー』上映中(終了日未定)、『夢みる小学校』4/1~、『選ばなかったみち』4/15~
「映画愛」を体験するなら、ミニシアターへ
そこでしか観られない作品がある。そこでしか体験できない空間があり、交流があり、映画愛が溢れてる。mina女子がミニシアターにハマる理由は、そこにありました。
ぜひ、あなたの街のミニシアターにも足を運んでみてくださいね。
◎デザイン/山嶋華帆(ma-h gra)