今や市民権を得たメンズ美容。実は女性よりも、ストイックでギークかも!?なかでも、並み外れた知識量から美容好き芸人としても注目を集める、お笑いコンビ・きつねの大津広次さんに、お手入れの極意を伺いました。
–そもそも美容にめざめたのは、20歳前後のことだったとか
はい、そうっすね。当時教習所に通っていて、ふとバックミラーに映った自分のエラの張りが気になったんですよ。そこからいろいろ勉強して、エラの筋肉の発達を抑えてくれるボトックス注射があるのを知って、さっそく打ちに行きました。自分の嫌なところをどうにかしたくて始めたのが美容って感じですね。あとは、もともと母親が美容に詳しくて、若いころから僕に化粧水とかなんやらやらせてたんですよ。それが日常化していて、今に影響しているのかも」
–どうやって美容の知識や情報をキャッチしているんですか?
「化粧品成分の検定の本を読んだり、かかりつけの皮膚科医さん、あとは周りにいる美容通な友人。美容好きのつながりで知り合った人たちと、気になる成分や美容法について情報交換していますね。基本、科学的根拠のあるものしか信用してないんで。感覚よりも理論、そして自分の肌で確かめる。例えばなかには、天然成分だから肌にいいって思っている人もいるかもしれないけど、実は植物エキスって刺激が強かったり、人によってはアレルギーを起こすものもあったり、意外と優しいわけじゃない。話題のものが自分に合うかどうかはまた違うんすよ。僕の場合は、アレルギー持ちでもあるんで、ケミカルベースなほうが逆に肌に刺激なく使えて合うんです」
–大津さんが実際に効果を感じた美容法はなんですか?
「以前クリニックでトレチノイン治療を受けました。簡単にいうとレチノールを用いた医療レベルの治療です。ニキビやシミに一番効果を実感しました。ただ、セルフケアでも扱いが難しいんで注意が必要ですけど。今は皮膚科で買えるビタミンC のスキンケアをライン使いしています。問題解決は医療分野にまかせて、あとは化粧品でセルフケアする、これが最良かと」
–見た目は、ザ・美容男子って感じではないんですよね
「別に、すごいツヤツヤのぷるぷるの人になりたいとか思ってないですよ(笑)? 肌荒れとか毛穴とか、ちょっと気になるところをなくしたいだけで。最近、ひげの脱毛も辞めました。30代も半ばで、“あれ、この先ツルツルのひげのないおっさんになるの嫌やな”って。風情のない大人にはなりたないじゃないですか。年相応に美容と付き合いたいって感じですね」
–大津さんにとって、美容はどんな位置づけですか?
「ほぼ健康管理に近いっすね。結局体の中で起きたことが肌に現れるわけで、全部つながってるんで。結局いくらサプリを飲んでも、修復に使う優先順位って内臓かららしいんです。どれだけいい成分を入れたって、それが肌に使われるのは他がちゃんと満たされてから。だから、身体のケアあってこそのスキンケアですね」
–美容に関してのアプローチも、かなりロジカルで男性らしいですね
「そうですか? でも確かに、ついこの前『話を聞かない男、地図が読めない女』という本を読んだばかりで、まさに女性とは美容に対する考え方もちょっと違うのかも。女性はもっとなんか、楽しんでる感じがしますね。でもそれもめっちゃいいと思います!美しくなるんだという強い意思と、こだわりを持ってる人って素敵やなって」
本気だから湧き出てくる。
きつね大津の#ビューティ語録
美容にエンタメはいらない
賛否両論あるかもしれませんが、正直スキンケア製品に対してビジュアルや香りのよさは求めません。それってロジカルなエビデンス、ありますか?ってところから入ります。
肌の守護神はレチノールとビタミンC
肌にいい成分っていろいろ言われていると思うねんけど、自分的にはこのふたつが最強。肌悩みに万能に、そして強力に効くレチノールと、体内ではつくれないビタミンCは必須。
美容は部屋の掃除みたいなもん。気になるから手をつけるって感覚
僕、掃除魔で部屋が汚いと気になってしょうがないんです。それと美容って似てるなって。ここをどうにかしたいっていう気持ちが、じゃあそのために何をするかって行動につながる。
極論言うなら、内臓がすべてなんすよ。
「隠す」より「治す」ことを念頭に美容と向き合っているんで、外でどうにかするんじゃなく、内からもきれいを意識。身体の機能が一番外側の皮膚まで手がまわるように、やはり健康第一ですね。
PROFILE
おおつ・ひろつぐ●1989年7月24日生まれ、大阪府出身。お笑いコンビ・きつねの
ツッコミ担当。成分マニアの美容男子としても有名。
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◎Photo / Kakuta Wataru(TRIVAL) ◎Text / Sasaki Urara
mina2025年2・3月合併号より
商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。