2024.11.22

【FRAGRANCE TOPICS!】レイヤリングって 一体どうやるの?

最近よく聞く“香水のレイヤリング”。香りが強くならない? どんな香水を重ねてもいいの? と疑問を思い浮かべる人も多いはず。レイヤリングの基本から、おすすめの組み合わせまで、新しい香りに出会う体験をご提案。

 

Q1:どうしてレイヤリングが近年トレンドになっている?

「欧米では小学生からお気に入りのフレグランスをつけるなど、香りへこだわりの強い方が多い印象。ほかの人に差をつけたい、自分だけの香りを持ちたいと感じる人も。それで、一度に数種類の香水を重ね付けしたり、1日の中で何回も香りを変えたりなど、独自のテクを楽しんでいる人が多いんです。日本も多様性の波により、自分だけの香りを持ちたい人が増えてきて、流行りだしたのではないかと思います」

 

Q2:誰にでもできる簡単なレイヤリング⽅法を教えてください!

「たくさんの香水の中からふたつの香りを選んで組み合わせるのはなかなか至難の技。まずは、今愛用している香水をベースに考えて。その香水にどんな印象や、香りを足したいかを考えると簡単です。例えば、毎日使用している香水に、休みの日だけ違う香水をレイヤリングして気持ちを切り替えたり、ふたりでシェアしている香水に、お互いに違う香りをレイヤリングして自分らしさをプラスしたり。そういった楽しみ方も、レイヤリングの魅力です」

 

 

レイヤリング香水の選び方は?

1. 共通キーワードのある香りで揃える

「お気に入りの香水や、その日使いたい香水をベースとし、そのなかのメインではない香料のひとつをピックアップ。例えば、ウッディ系の香水がベースなら、含まれている香料の中からジャスミンをピックアップし、ジャスミンの香料がメインの香水を重ねるというわけ。深みを持たせた柔らかい香りに変化しますよ」

 

2. 正反対の香りをあわせる

「香水は、分子の大きさによって重さが異なり、その大きさはだいたい3つに分類されるんです。重い香りはウッディやアンバー、バニラ系。真ん中はフローラル系、軽い香りはシトラスやグリーン系。この3つの重さの度合いを目安とし、重い香りと軽い香りを組み合わせるのが正反対の香りのレイヤードになります。また真ん中の香りは、重い香り、軽い香り、どちらと組み合わせてもOKです」

 

NG な選び⽅:好きな香りでも重い香り同士は香りが強くなりすぎる原因に

「ウッディ系とアンバー系が好きだからと2つを重ねると、どちらも重い香りなので香り立ちが強くなりすぎてしまいますので避けましょう。また、軽い香りだから大丈夫と同じシトラス系を2種重ねるのもNG。香りに広がりがなく、あまり重ねる意味を感じられない結果になってしまいます」

 

 

レイヤリング香水の付け方は?

1. 重い香り→軽い香りの順でプッシュ

「レイヤリングのカギとなる香りの層を楽しむことができ、お互いの香りがよく引き立ちます。手首に重い香り、軽い香りの順でプッシュし、両手首をこすらず混ぜ合わせ、好きな箇所にトントンとつけてみてください」

 

2. 重めの香りは下半身に、軽い香りは上半身に

「重さの違う香りは別々の箇所につけるのも効果的。まず重い香りを腰骨、足首の内側、膝の内側など下半身につけ、ほのかな香り立ちに。その後に軽い香りを首の後ろにつけると、どちらも主張しすぎず深い香り立ちになります」

 

 

▶️教えてくれたのは⋯

香りスタイリスト

杏 善子(よしこ)さん

幼少期から香りの世界に興味を持ち、アロマサロンのカウンセラーとしてカラーセラピーを学ぶ。2008年に自身のフレグランスブランド「DAWN Perfume」を立ち上げる。

 

 

 

おすすめレイヤリングの組み合わせ

一見難しそうなレイヤードもベースとなるひとつの香りを立てれば、意外と簡単に。男女ともに人気の高いウッディ系の香りをメインにレイヤード方法を杏さんが提案してくれました。

 

⚫︎キーワードで揃える

 

1. オレンジブロッサム、ジャスミン

テュベルーズがメインに香る、温かみのある甘さと深みのあるフローラル系<ディプティック>の「ドソン」(右)がベース。柑橘系の爽やかな香りの<プラダ ビューティ>の「フルール オランジュ」(左)をプラスし、「ドソン」の香料のなかのオレンジブロッサムやジャスミンなどの柑橘系の香りをふくらませれば、甘さがおさえられた爽やかな香りを演出してくれます。

 

(右) 75mL 28,270円/Diptyque Japan (左) 100mL 30,800円/プラダ ビューティ

 

 

2. 爽やかなグリーン系を強調

いちじくの果実のミルキーな香りが特徴の重厚感のあるウッディ系<ディプティック>の「フィロシコス」(右)をベースに、シトラスが中心に香る<プラダビューティ>の「ジャンジャンブル」(左)をプラス。「フィロシコス」のいちじくの葉のグリーン系の香りを膨らますことで、深みを持ちながらも爽やかでみずみずしさのある香りが楽しめます。

 

(右) 75mL 28,270円/Diptyque Japan (左) 10mL 7,700円/プラダ ビューティ

 

 

⚫︎正反対の香りから選ぶ

 

1. 重い香り/ウッディ系、軽い香り/グリーン系


ウッディ要素のある、フローラル系<ディプティック>の「オー ローズ」(左)を重い香りとしてセレクト。ベルガモット・ベチパーがメインに香る<バイレード>の「サンデー コローニュ」(右)を軽い香りとしてプラス。ウッディローズの深い香りの中に、ジンジャーのようなスパイシーでさっぱりとした印象が演出できます。 

 

(右) 100mL 38,170円/バイレード ジャパン (左) 75mL 28,270円/Diptyque Japan

 

 

2. 重い香り/ウッディ系、軽い香り/フローラル系

重い香りは、個性を引き立たせるシダーウッドがメイン香料の<プラダ ビューティ>の「シダー」(左)をセレクト。軽い香りは、テュベルーズの深くて甘い香りをメインとした<ディプティック>の「ドソン」(右)。トランスジェンダーなウッディの香りにホワイトフローラルの上品さが加わり、優しい甘さのある印象に。 

 

(右) 75mL28,270円/Diptyque Japan (左) 100mL 30,800円/プラダ ビューティ 

 

 

 

◎Photo / Shida Yuya

 

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商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。

 

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