2024.04.24

長崎県雲仙・島原で大地のパワーをもらう旅【週末“非日常”TRIP】

島原城をはじめ、小浜温泉や雲仙国立公園などがある、長崎県南東部の島原半島。火山のパワーによりもたらされた豊かな土壌、清らかな水など自然環境に恵まれた場所で、近年話題のスポットも増えてきているということで、今回メディアツアーに参加しその魅力を探ってきました。

 

長崎県で初めてグッドデザイン賞を受賞した「オーガニック直売所タネト」

 

まず雲仙市を訪れたなら立ち寄りたいのが、千々石地区にある「オーガニック直売所タネト」。ここは2023年度のグッドデザイン賞にて、特別賞「グッドフォーカス賞(地域社会デザイン)」を受賞した直売所で、市内自家採種の在来種野菜を軸にほぼ農薬・化学肥料不使用の野菜をメインで販売しており、他ではなかなかお目にかかれない野菜が並びます。

金曜日から火曜日にかけての12時からは、在来種野菜をふんだんに使った食堂もオープン。ここで地物野菜を買い込んで、温泉街で野菜を蒸して食べる方も多いそうですよ。

 

・オーガニック直売所タネト

住所:長崎県雲仙市千々石町丙2138-1

TEL:0957-37-2238

営業時間:10:00〜16:00

定休日:水曜

URL:https://www.organic-base.com/taneto/

 

長崎野菜をふんだんに使った「彩雲」でランチ

「オーガニック直売所タネト」の無農薬野菜をはじめ、天然魚を使った料理が味わえるのが2022年に雲仙市小浜町富津にオープンした日本料理屋「彩雲」です。オーナーを務めるのは神楽坂で日本料理「御料理 宮した」を営んでいた宮下夫妻で、島原半島の豊かな自然の恵みに魅せられ3年前に移住してきました。

11:30〜14:30限定の「鯛茶漬け御膳」(2,500円)では、天然の鯛を使った鯛茶漬けをメインに、岩崎ファームの鶴首カボチャや田中ファームの里芋の煮付けなど、さまざまな地産のオーガニック野菜の料理が並びます。目の前に広がる橘湾のパノラマビューも魅力です。

 

・彩雲

住所:長崎県雲仙市小浜町1174

TEL:0957ー81ー0392

営業時間:11:30~22:00完全予約制営業)

URL:https://unzen-saiun.hp.peraichi.com/

 

日本一長い足湯「ほっとふっと105」と蒸し釜を体験

長崎県雲仙市には、約30ヶ所もの源泉から豊富な温泉が湧き出る小浜温泉という温泉地があります。高温で湯量が豊富な小浜温泉は、源泉温度が105度と日本一の熱さ。神経痛や冷え性の方におすすめなんだそう。

 

小浜温泉でぜひ立ち寄って欲しいのが、日本一長い無料の足湯「ほっとふっと105」です。小浜温泉の源泉温度が105度であることにちなみ、足湯は全長105メートルにも及びます。特徴的なのが、ペット用の足湯もあること。海側の西向きにあるため、天気が良ければ海に沈む夕陽を眺めながら、足湯に浸かることができます。

 

足湯とともにおすすめしたいのが「蒸し釜」体験です。温泉による蒸気で野菜や魚介類を蒸すことができる設備で、誰でも無料で利用することができます。我々は「オーガニック直売所タネト」で購入した野菜を竹籠(レンタル200円/30分)を使い蒸してみましたが、水道水で蒸すよりもホクホクとしてしっとり甘く、力強い素材の味が感じられました。

 

・ほっとふっと105

住所:長崎県雲仙市小浜町北本町905-71

営業時間:【4~10月】10:00~19:00(蒸し釜 最終受付18:00、終了18:30)、【11~3月】10:00~18:00(蒸し釜 最終受付17:00、終了17:30)

 

オーシャンビューの客室温泉付き宿へとリニューアルした老舗「伊勢屋」

宿泊は「ほっとふっと105」からすぐの場所にある「伊勢屋」へ。創業350年を超える老舗で、2019年の建て替えリニューアルで、全室自家源泉掛け流し&オーシャンビューの客室温泉を完備したお宿へとリニューアルしました。しかも客室はスタンダードで39平米、ジュニアスイートは51平米と広々。施設内には温泉大浴場、露天風呂もあり、ブックライブラリーのような休憩スペースもあります。

訪れた日の夕食では、雲仙ハムを使ったスパニッシュオムレツをはじめとしたひと口サイズの前菜盛り合わせに始まり、長崎産の刺身や、すりおろし蕪のソースを使ったカブボナーラ、湯葉の明太あんかけ、長崎牛の赤ワイン煮、ホタテの香りご飯、蕪真丈のすり流し、自家製スイーツが登場。どれも手がこんでいて充実の内容です。これで一泊二食付き、一人 14,800円~というのだから、おすすめせずにはいられません!

 

・小浜温泉 伊勢屋

住所:長崎県雲仙市小浜町北本町905

TEL:0957-74-2121

URL:https://www.iseyaryokan.co.jp/

 

自家醸造ワインとイタリア料理を味わえる「小浜ワイン食堂」

地元のお酒を楽しみたいなら、「伊勢屋」から歩いていける「小浜ワイン食堂」へ。雲仙普賢岳の麓、雲仙市にある長崎県本土地区に初めてできたワイナリーである「小浜温泉ワイナリー」が手がけるレストランバーです。「小浜温泉ワイナリー」が目指すのは、長崎県の食材、料理に寄り添うテーブルワイン。マスカットベリーA、キャンベルアーリー、デラウェア、カベルネソーヴィニヨンの4品種と時津町産の巨峰のブレンドや「長崎ヌーヴォー」や、南島原市のみかんを使った「雲仙蜜柑ワイン」など、小浜ならではのワインが味わえます。

 

住所:長崎県雲仙市小浜町北本町862

営業時間:18:00〜0:00

Instagram:https://www.instagram.com/obamaonsenwinery/?hl=ja

 

「雲仙地獄」や「温泉神社」など雲仙の温泉街を散策

小浜温泉に宿泊した翌日はドライブして、日本で初めて国立公園のひとつとして選ばれた雲仙国立公園へ足を伸ばしてみました。硫黄の香りが立ち込め、地の底から吹き出す蒸気と熱気が辺り一面を覆い尽くす「雲仙地獄」は雲仙温泉を代表する観光名所です。

そのすぐそばには「温泉神社」があります。ここは島原半島に18の温泉神社があったとされるうちの総本山です。拝殿奥にそびえる樹齢200年の「夫婦柿」には「恋愛成就」のご利益があるので、掲示された作法の通りに祈願してみるのもいいでしょう。

 

・温泉神社

住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙319

 

グッドデザイン賞を受賞した「雲仙地獄」を望む「宮崎旅館」

「雲仙国立公園」を借景にした客室やレストラン、ロビーラウンジが印象的な「宮崎旅館」も見学させてもらいました。「宮崎旅館」は文豪など数多くの著名人も来館した、創業93年の老舗です。

2022年に新築リニューアルし、2023年度グッドデザイン賞を受賞しています。庭園や山々と調和するインテリアでありながら、モダンでラグジュアリーな雰囲気です。

 

・宮崎旅館

住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙320

URL:https://www.miyazaki-ryokan.co.jp/

 

有明海が一望できる絶景カフェ「山の上のカフェGarden」

ランチは島原市と有明海が一望できる、大自然に囲まれた「山の上のカフェGarden」へ。一面の窓からの景色を眺めながら、島原半島で採れた新鮮な食材を使ったランチやデザートを味わえます。

ランチの一番人気はサラダとスープがついた「ハンバーグランチ」(1,230円)です。絶景と共に手作りの優しい味わいに舌鼓を打ちました。

 

・山の上のカフェGarden

住所:長崎県島原市上折橋町甲1580

営業時間:11:00〜17:00(ランチLO13:50、カフェLO16:30)

定休日:水・木曜

Instagram:https://www.instagram.com/yamanouenocafe.garden/

 

築城400年を迎えた「島原城」

島原といえば、今年で築城400年を迎えた「島原城」は見逃せません。1618(元和4)年から、松倉豊後守重政が約7年の歳月をかけて築かれた五層天守閣を中核に、大小のやぐらを要所に配置した安土桃山期の築城様式を取り入れた壮麗な城でしたが、明治の御一新で惜しくも解体されてしまいました。

現在の島原城は1964(昭和39)年の建築で、藩日記や諸記録、大正末の島原城絵などを元に築城当時のように復元されたものです。建物内では島原の歴史や文化に関する展示も行われています。

 

・島原城

住所:長崎県島原市城内1-1183-1

TEL:0957-62-4766

営業時間:9:00 ~ 17:30 (入館は17:00まで)

定休日:無休

入場料:大人700円 / 小・中・高校生350円

URL:https://shimabarajou.com/

 

透き通る池の中をカラフルな鯉が泳ぐ、湧水庭園「四明荘

 

実は島原、水が豊かな場所でもあります。特にその事実を感じられるのが、「四明荘」です。一日約3,000トンの湧水が池へ流れ込んでいます。深さがわからないほど透き通る池の中を、カラフルな鯉が泳ぐ様子は一見の価値ありです。

 

・湧水庭園「四明荘」

住所:長崎県島原市新町2-125

入場料:大人400円 / 高校生以下200円

 

「Koiカフェ ゆうすい館」で島原名物スイーツ「かんざらし」を堪能

「四明荘」の隣にある古民家カフェ「Koiカフェ ゆうすい館」では、島原で江戸時代から親しまれている「かんざらし」というご当地スイーツを味わえます。「かんざらし」は、三温糖やザラメ、ハチミツで作った冷たい蜜に、白玉粉や餅粉で作った小さな白玉が入った甘味です。どこか懐かしい優しい味わいで、旅先で歩き疲れたときの休憩にちょうど良いスイーツでした。

「Koiカフェ ゆうすい館」では「鯉焼き」も味わえるほか、事前予約制ですがかんざらしの手作り体験もできます。

 

・Koiカフェ ゆうすい館

住所:長崎県島原市新町2-122

TEL:0957-62-8102

営業時間:9:00~17:30

 

日本一海に近い無人駅「大三東駅」

鉄道好きなら訪れたいのが、島原鉄道大三東駅。日本一海に近い無人駅のひとつで、屋根も柵もない開放的なホームからは一面に広がる有明海を眺めることができます。駅舎には、メッセージを書いて駅に飾る「幸せの黄色いハンカチ」のガチャガチャも設置されています。

 

・大三東駅

住所:長崎県島原市有明町大三東丙

 

ハーバービューが楽しめる長崎駅隣接の「長崎マリオットホテル」を拠点に

雲仙島原とあわせて、やはり観光名所の多い長崎市内を旅したい方も多いでしょう。そんな方におすすめなのが、2024年1月にオープンしたばかりのJR長崎駅隣接の最新ホテル「長崎マリオットホテル」。客船をモチーフにした外観、長崎の港と海を感じられるデザインで統一されており、全客室の7割に備えられたバルコニーからは、長崎港や稲佐山を望むことができる抜群のロケーションとしつらえです。

ホテル内にはフレンチを主体としたオールデイダイニング「HARBELLA(ハーベラ)」をはじめ、鉄板焼と江戸前鮨の「De Jima(デ ジマ)」、バーラウンジ「THE AZURITE(ジ アズライト)」があり、長崎と西九州の食材を使った料理を味わうことができます。

 

・長崎マリオットホテル

住所:長崎県長崎市尾上町1-1

TEL:095-895-9995

URL:https://www.marriott.com/ja/hotels/ngsmc-nagasaki-marriott-hotel/overview/

 

 

2022年に開業した西九州新幹線により、北九州、京阪神からもアクセスしやすくなり、2024年1月期には長崎県を舞台にしたドラマも放映されるなど、注目が高まっている長崎県。GWや夏休みなどの行楽シーズンは、まだまだ穴場の島原半島へリチャージ旅に出掛けてみては?

 

取材協力:長崎県

 

◎取材&撮影&文/中森りほ

MAGAZINE

mina 2024年12・1月合併号

COVER STORY

 STORY of WEEKEND
HANDSOME JACKET 奈緒 秋の終わりから、メンズジャケットを羽織って。

  • ◆この秋冬は「ジャケット」さえあれば。
  • ◆カジュアル好きのふたりが着たい「週末テーラード」
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