熱海や箱根にも近く、東京からは電車で約1時間。都会の喧騒をぬけだして、リトリートを楽しむのにぴったりの温泉郷「湯河原」。旅の思い出には、何を持って帰りましょう? とびきり甘くて爽やかな名産のミカンジュースもいいし、大人気のラーメン店「飯田商店」の麺セットも捨てがたい……。
でも最近、ここに新たな選択肢が加わりました。おしゃれなクラフトビールのような見た目ですが、その名も「クラフト温泉」。そう、今って本格的な温泉がお土産になる時代、らしいんです!
新時代の湯河原みやげ登場! 世界初の“温泉エスプレッソ”
湯河原といえば開湯から1200年、万葉集にも詠まれてきた由緒正しき温泉地。その名湯を自宅に持ち帰れるなら最高ですが、お湯をこの小さなビンに詰めてもらったところで……ね?
「いえいえ、これはただのお湯じゃないんです! 世界初の特許技術を駆使してつくった、湯河原温泉の“エスプレッソ”なんですよ」と教えてくれたのは、湯河原町・観光課の加藤宏翼さん。
商品の正式名称は、「天然温泉原液『クラフト温泉』 HITŌシリーズ」。温泉資源の新たな活用法として、湯河原町が企画・開発を手掛けたんだとか。
湯河原温泉のエスプレッソ……というと?
「湯河原の天然温泉と、温泉の成分が凝縮された鉱石を、専用の“湯蔵”と呼ばれる工房に運び、湯溶と濾過の作業を数千回にもわたって丁寧に繰り返して、最大約1万倍もの超高濃度に凝縮させました。つまり、天然温泉の成分を限界まで取り出した原液なんです」(加藤さん)。
使い方は「クラフト温泉」(25mL)を家の浴槽(約250L)に垂らすだけ。すると、たちまち湯河原温泉がおうちに現れる、というものです。まさに温泉のテイクアウト! となると、気になるのは温泉の再現性。さっそく自宅で試してみました。
頭の毛穴がパカーッ! 汗がとまらない湯治タイム
「クラフト温泉」をキャップに注ぎ、湯船に3杯入れました。無色無臭で、湯に目立った変化はなし。でも、浸かって5分で「暑いな……」と思いはじめ、10分後には頭皮の毛穴がパカーッ。頭から汗がタラタラと伝いつづけるこの体の反応、確かに温泉かも。
しかし、暑い。暑すぎる……。つい浴室の扉を開放すると、わあ、ひんやりして爽快! 本当に湯河原の宿で味わった露天風呂みたい……! 全身ピンク色になってお風呂からあがると、冷えた水の美味しいこと。再びドパーッと汗が出て、湯上がりから30分後も汗ばみつづけて下着を1回取り変えたほどでした。
1本に10回分が入って5,500円。最初は高いと思いましたが、試してすぐ贈り物のリストに追加しました。確かに湯治を実感できるし、体の体温も代謝もしっかり上がりそうだし、世界初の技術という点もニクイ。贈れば絶対に喜ばれると思います。
余談ですが、このように温泉を持ち運び、保管する技術を確立した企業「LeFuro(ルフロ)」は「クラフト温泉」の価値を認められ、JAXAの宇宙開発の協業事業者にも選ばれました。いつか、宇宙で日本の温泉に浸かれる日が来るのかもしれませんね。
クラフト温泉 300mL 5,500円/湯河原温泉観光協会
・湯河原温泉観光協会
https://www.yugawara.or.jp/contact/
8月には花火大会も! 絶品の湯と夏を満喫して
自宅にあらわれた小さな温泉に浸かれば浸かるほど、やっぱり恋しくなる本場の湯。もしも次に湯河原を訪ねるとしたら、おすすめは8月2日と3日! この2日間、現地では「やっさまつり」が行われ、湯河原の町が大いに盛り上がるのです。
祭囃子や太鼓の音が鳴り響く中、鮮やかな浴衣で踊る芸妓たち、華やかで美しい花車、「やっさ、もっさ」の迫力のある掛け声とともに担がれる神輿など、見所は盛りだくさん。クライマックスには、約2,200発の花火が打ち上がります。
お祭りで盛り上がったあとは、お待ちかねの名湯で羽をのばしてリフレッシュ。きっと思い出に残る、特別な夏になるはずです。
◎撮影/下田直樹 ◎モデル/小嶋彩音 ◎取材&文/矢口あやは
価格は税込です。店舗情報、商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。